肝臓病の素朴なQ&A
病気のことコーナー
Q1.肝臓の病気にはどのようなものがありますか?
C型慢性肝炎やB型慢性肝炎、およびそれらに伴う肝硬変や肝臓がんがもっとも代表的な肝臓病です。
最近では生活習慣病の脂肪肝が原因で、肝硬変や肝臓がんになる方も増えてきています。 その他に、急速な経過の急性肝炎や劇症肝炎、またアルコール性肝疾患、自己免疫性肝疾患などが代表的な肝臓の病気です。
Q2.肝炎になったら必ず慢性化してしまいますか?
慢性肝炎とは6カ月以上持続する肝炎であり、長い経過で肝硬変や肝発がんに至ることが危惧されます。
急性感染後に慢性化するか否か、またその確率は原因によって異なります。
A型肝炎やE型肝炎は原則慢性化しません。
C型肝炎は高い確率(70%程度)で慢性化します。
B型肝炎は最近、慢性化しやすくなって問題になっている肝炎です。
その他にも自己免疫性肝炎や脂肪性肝炎など、ウィルス以外が原因の肝炎があり、これらは主に慢性の経過をとります。
Q3.肝炎を治療せず放置すると、どのような経過をたどりますか?
肝炎の原因によって経過は異なります。
黄疸や意識障害をきたす肝硬変・肝不全、また肝発がんなどの危険があるため、原因検索と適切な治療が必要です。
Q4.肝機能検査と肝炎ウィルス検査とは同じものですか?
同じものではありません。
肝機能検査異常があっても肝炎ウィルス以外の原因がある場合、また逆に肝炎ウィルスに感染していても肝機能検査が正常な場合がそれぞれあります。
Q5.肝炎ウィルス検査で陽性でしたが、
詳しい検査にはどのようなものがありますか?
B型肝炎では、ウィルスの遺伝子を検出するHBV DNA、たんぱく質を検出する抗原検査、ヒトの免疫反応を検出するの抗体検査があります。
C型肝炎では、ウィルスの遺伝子を検出するHCV RNA、たんぱく質を検出する抗原検査があります。さらに肝臓のいたみ具合や肝がんの有無を評価するための、腹部超音波検査を行う場合があります。
日常生活のことコーナー
Q6.B型・C型ウィルス性肝炎の場合、
日常生活でどのようなことに気をつけたら良いですか?
B型・C型ウィルス性肝炎は血液や体液を媒体として感染することがありますので、家族やまわりの方に感染せさないために以下のことに注意してください。
- カミソリ・ひげそり、歯ブラシの共用は控えましょう。
ただし、食器の共有や入浴では感染しません。 - 乳幼児への飲食物の口移しは控えましょう。
- B型肝炎ウィルスは、性交渉で感染する恐れがあります。
- 出血を伴う怪我をした場合は、出来るだけ自分で手当をしましょう。
食事のことコーナー
Q8.食事で気をつけることはどのようなことですか?
基本的には栄養のバランスのいい、適量の食事を摂ることをこころがけてください。規則正しい食生活も大切です。
病状によっては鉄分やたんぱく質・塩分の制限が必要になることもありますので、気になることがあれば主治医や管理栄養士に相談してください。
Q9.しじみは体に良いと聞きますが、肝臓には良くないのですか?
しじみは栄養豊富な食品で、タウリンなどのアミノ酸やビタミンを含み、肝臓に良い効果があるとされています。 しかし、鉄分も豊富に含むため、鉄分が肝臓に沈着している病態(C型肝炎など)では肝炎を悪化させることがあります。
過剰な摂取は控えて、主治医や管理栄養士に相談してください。
医療費助成のことコーナー
Q10.無料のウィルス検査はどんな検査で、
何処に行けば受けられますか?
血液検査で判断します。
保健所と肝炎専門医療機関で、B型肝炎 C型肝炎の検査を無料で受けることができます。くわしくは保健所・肝炎専門医療機関へお問い合わせください。
Q11.ウィルス性肝炎の治療には、高額な治療費がかかりますか?
B型肝炎及びC型肝炎には早期治療をすすめることにより、肝臓病や肝がんなどを予防することを目的とした医療費助成制度があります。(所得に応じて一万円または二万円)
主治医の診断書とともに、添付書類を整えて保健所へ申請してください。